思い出の記

犬のおまま 育ちのせいか、ついつい話が食べ物のことばかりで恐縮に存じますが、まず聞いでけろでば。天下広しとかだっても人間が犬のおまま(飯)を見てヨダレ流したのは自慢でないが俺ぐれあのもんだべ。あんまりほめだ事でねあども…...

思い出の発見

ある夏の夜の思い出 カフェーが雨後のタケノコのように開店が盛んで、町には、すみれ、やよい、白菊、いろは、街のクラブ、と華やかなりし頃、女給たちは夜の花とか言われ、和服に白い短いエプロン、背にはタスキを大きな蝶に結び、まる...

「医療の話」

運河を築港 荒涼としたオホーツク海と、大船渡湾より広い能取湖、海に出入りの出来ない湖を船が通れるように運河を築港するのが私達挺身隊の任務だった。岩手隊三宅隊長以下10人、20年の6月12日、現地に向かって出発した。 函館...

芭せを(しょう)の句碑

大正期の天神山 町民の憩の場所『天神山』に樹齢数百年の山桜の巨木の根元に芭蕉の句碑が配置されてあった。その懐かしい『天神山』は、大正時代までは僅か100坪ぐらいの平らな所に芝草が生えていた。周囲は段々の荒畑だったが、老杉...